1 趣  旨

チャイルドラインからはじまる笑顔あふれるまちづくり
子どもの権利が保障される社会は子どももおとなも心豊かに生きる社会です

今、わが国の子どもを取り巻く環境は苛酷です。子どもたちは、私たちおとなの姿や社会のゆがみに翻弄され、「生きにくさ」「育ちにくさ」を感じながら、毎日を過ごし、自分の居場所を見失っています。「子どもの権利条約」を批准した私たちには、子どもたちを家庭、学校、地域の公正な一員として受けとめられるような社会環境を作っていく責務があります。

チャイルドラインは、18歳までの子どもが、誰でもいつでも、どこからでもかけることができる子ども専用電話です。子どもたちのどんな話にも耳を傾け子どもの気持ちに寄り添います。いつでも自分の本音を受けとめてくれ、自分たちに本気で向き合ってくれるおとなの確かな存在を知ることは子どもの次の一歩につながるでしょう。子どもは『自分で道を切り開いていく力』を持っています。

私たちは、2000年以来「チャイルドライン京都・子ども電話」を開設し、京都と全国の子どもたちの声を聴き、子どもたちに寄り添い、子どもたちをまるごと受けとめて、ほっとできる居場所をつくってきました。しかし、電話を通して子どもたちの自己肯定感の低さやコミュニケーション力の不足を実感します。これらは、子どもの健全な成長を妨げ、おとなへの警鐘です。私たちは、この子どもたちの声を受けとめ、地域へつなぎ、社会に発信し、信頼できるおとなの存在を増やし育て、家庭や学校、地域社会の再生をめざします。何処にでもいるおとなたち、近所のおっちゃん、おばちゃん、おにいちゃん、おねえちゃんなど、ありのままを受けとめてくれるおとなの存在こそが必要なのです。
21世紀を展望し、地域社会が活性化して子どもたちの笑顔があふれ、おとなも子どもも共に心豊かに生きることのできる社会の実現に寄与します。

私たちは、子どもの権利が尊重され、子どもたちの笑顔と笑い声が広がる社会を創るために、「特定非営利活動法人チャイルドライン京都」を設立します。